コロナ禍における税務調査対策 『税務職員配属便覧』の徹底活用 NO.0063

皆さま、新年あけましておめでとうございます。
遅まきながら改めて新年のご挨拶を申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


 昨年後半にようやくコロナが落ち着いたかと思ったのも束の間、オミクロン株が猛威を振るっており、我々の業界も繁忙期の中で、いつ所内スタッフの複数感染が出るかヒヤヒヤしていますが、いくつか決まっていた新年会を全てキャンセルし、濃厚接触者の疑いがある職員はPCR検査で陰性確認が取れるまで在宅勤務での対応、そして、所内の空気清浄を徹底するなど、できる対策は全て打ちつつ何とか乗り越えるしかないと考えています。


 さて、新年一回目の投稿になりますが、前回の書面添付に関する投稿の反応が思いのほか大きかったこともあり、税務調査に関する話題を投稿したいと思います。本年も皆様にとって少しでも有益で有用な情報をご提供できれば幸いです。では、さっそくやってまいりましょう!

 

1.コロナ禍における税務調査の実情

 新型コロナウイルスの影響で税務調査が実質ストップし、昨年は大丈夫だったと安心していた方も少なくないかと思います。しかし、税務調査の本格化に向け、税務署は着々と準備を進めています。調査自粛中に納税者の情報を徹底的に調べ上げている当局に対し、納税者の側が調査官の情報を何も知らないというのではかなり不利です。そこで、最新の『税務職員配属便覧 ※毎年、各税理士事務所に一部づつ配られます』で調査官の経歴や肩書を確認しておくことが大事です。調査のポイントやクセは調査官によって大きく異なります。事前に知ることで万全の事前対策を講じておきましょう。

 

2.部署と肩書が語る調査官の特性

 本来、税法の規定に則れば、調査官は誰が来ても同じ結果になるはずです。しかし、実際には調査官の経験やスキルによって結果は大きく変わってきます。だからこそ、どんな税務調査官が調査を実施するのか、この点を予め把握しておくかどうかで、税務調査の行方は大きく異なってきます。その確認を行う上での必須アイテムが『税務職員配属便覧』をはじめとする税務署の職員録です。

 便覧を見て最初に確認したいのは、担当する税務調査官の部署と肩書です。これだけでも税務調査の方向性と深度を大まかに把握することができます。方向性は「部署」が示し、深度は「肩書」から推測できるのです。

 

 税務署内の様々な部署のうち、例えば「情報技術専門官」とあれば、IT関係の税務調査を行うことが想定され、また、「国際税務専門官」とあれば、国際税務に強い調査官と考えることができます。実際のところ、こうした肩書を見ればどこに調査のポイントが置かれるのか概ね理解することができます。

 この他にも知っておきたい部署としては、「特別国税調査官」と「内部部門」が挙げられます。「特別国税調査官」は通称「特官(トッカン)」と呼ばれる部署です。女優の井上真央さんが主演したドラマのタイトルにもなったので聞いたことのある方もおられるかもしれません。税務署の担当する管内で比較的規模の大きな会社を担当するセクションであり、一般の税務調査官では対応できないような複雑な論点を含めた幅広い調査内容を担当します。自然、臨場する調査官の人数も多くなり、調査日数も長くなる傾向があります。

 

 一方、「内部部門」とは、一般的には「〇〇課税第一部門」など、各課税部門の第一部門を指します。ただし、規模の大きな税務署では、第一部門に限らず、第二部門や第三部門も内部担当部門に該当するケースがあります。このような場合には、「法人課税第二部門(消費税・印紙税担当)」といった形で、担当税目が別途併記されることが通例となっているため、それはそれで分かりやすいです。

 一般に、内部部門は申告書の入力などを行う内勤の部署であるため税務調査に出張ることは少ないのですが、必要性が生じれば現場に繰り出す場合もあります。通常業務が内勤であるため、税務調査自体がうまいとはいえないケースがありますが、その反面、税法の知識レベルは一般の調査官に比べて高いです。とりわけ源泉所得税担当や消費税担当の職員となると非常に細かい法律まで押さえているので、調査される側は決して気を抜けない相手となります。内部部門の職員が調査に来るといった場合には、部署をよく確認し、狙われそうな税目についてきちんと税理士と相談して備えることができるようにしておくことが大事です。

 

3.担当が事務官でも気を抜かない

 税務署内の序列は、統括調査官→上席調査官→調査官→事務官の順で、『便覧』では肩書のない職員が「事務官」となっています。上席調査官までは基本的には経験年数に応じて昇進するため、肩書を見れば、その調査官の大まかな勤続年数を推測することができます。調査官の経験年数と調査能力は基本的に比例すると考えておいたほうがよく、事務官であれば調査が甘く、上席調査官であれば厳しいというのが一般的な傾向となります。

 なお、税務調査の予告は基本的に職位が下位の職員が納税者に電話連絡してくることが通例となっています。余談ですが、前回のブログでお話した『書面添付制度』を税理士が活用している場合は、最初に税理士に調査官の疑義事項について質問があり、そこでのやり取りで疑義が解消されれば税務調査は省略(打ち切り)となります(納税者と調査官のやり取りは一切発生しません)。また、電話をしてきた職員だけが税務調査の担当者であると誤解する方が税理士を含めて意外と多いのですが、事務官が電話をしてきたからといって「ヒラの事務官が一人で来るようだから安心」などと油断していると、経験豊富な調査官が同席して痛い目に合うことになります。ですので、税務調査の事前通知を受けた際は、同席者を含めて何人で来るのか(二人の場合が多い)、さらに名前も聞いて『便覧』で肩書なども確認しておきましょう。

 

4.まとめ ~相手を知り万全の準備を~

 『便覧』によって調査に来る職員の部署や肩書を知ることで調査の中身や傾向をある程度は予測することができます。しかし、調査官について最も知りたいことは、その調査官が歩んできた税務署内での「畑」についてです。一般企業と同様に、その人が歩んできた専門分野によってスキルと傾向は見えてきます。調査畑の出身であれば税務調査には強いものの税法にはあまり強くない傾向にあります。一方、内部的な仕事が中心であれば、調査は経験不足であまり強くは押してこないことも考えられるので、対策の立て方が変わってくるのです。当局はこちらの情報を詳細に調べてから訪れます。コロナ禍の中で臨場の機会が減っている今は尚更です。ですから、納税者としても、やってくる税務調査官について『便覧』で事前に確認し対策をしておく必要があります。

 

 本日は以上となります。本年からスタートした電子帳簿保存法、そして、今後予定されているインボイス制度のスタートなども踏まえ、ますます企業に求められるものは複雑化・高度化していきます。その中で税理士が果たすべき役割も益々重要度が増してきています。世の中の会社様に必要とされる税理士事務所であり続けるために、私をはじめ弊所スタッフ全員でこれからも成長を続けていく所存です。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

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