光陰矢の如し、我々の業界の未来像について NO.0060

皆さんこんにちは!

沖縄はまだまだ暑い日が続きますが、最近は朝晩が少し過ごしやすくなってきているように感じます。皆様はいかがお過ごしでしょうか?

沖縄県内のコロナ感染者は減少傾向が続いており、このまま終息に向かってほしいところですが、今までの傾向を振り返ると第六波も十分あり得ますので、引き続き油断はせずに日々の生活を過ごしたいと思います。

さて、本日の内容についてですが、いつもと少し趣向を変えて、私のいる税理士業界についてのお話をさせていただきたいと思います。このブログをご覧になられている方は経営者の方が多いと思われますが、税理士・会計士の業界について明るい方は多くはないでしょうし、業界事情などを知っておくことで税理士選びの参考にもなるかと思います。

では、早速やっていきましょう!

 

1.税理士を目指す若者が年々減少している

私は15年前(当時30歳)に税理士業界に就職し、開業してからは丸8年(9年目)経ち、沖縄の地域密着型事務所として今日までやってきています。この15年の間、世界も日本も非常に大きな変化がありました。特に世界的なITの進化は目覚ましく、会計事務所、税理士の業界は、他から見ればあまり変化がないと思われるかもしれませんが、電子申告は当たり前となり、会計ソフトのフィンテック革命、そして、現在はRPAを活用した取り組みを始める事務所が現れ始めている(弊所も取り組んでおります)など少なからぬ変化があります。また、税理士自身の高齢化による後継者問題も益々顕在化してきています。

そういった中で、現在の最大の課題は、じつはこの業界に入ってこようとする若者が激減しているという事実です。若者が目指さない業種になってしまった理由は、一つには試験が難しいということがあります。たとえば、昔は大学院を2つ卒業して修士を2つ取得すれば4年間で税理士資格が得られる制度がありましたが、今は税理士試験の5科目のうち2科目は合格しなければいけないので、より狭き門になっています。ちなみに、私は金銭的、時間的問題から大学院での免除は受けておらず、仕事と受験勉強を両立しつつ、5科目全て試験にて合格しましたがTOTAL7年かかりました。(この間、体重が8kg減りました)

また、これまでは、たとえ難しい試験であっても資格を取ることさえできたら、独立開業して自分の事務所を持つという夢が描けました。しかし、昨今は独立開業することがより困難になっています。開業しても顧客がなかなか獲得できないことが最大の理由です。私も開業して分かりましたが、財務や税法の知識がいくら豊富でも、そもそものコミュニケーション能力が欠如していると顧客のニーズを引き出すことができず、また、なまじっか頭が良いことでプライドが高く、顧客に対して上から目線で接する税理士、会計士も少なくありません。そうなると、当然、顧客を獲得していくのは難しくなっていきます。つまり、難しい試験に合格しても、資格を取っただけでは飯が食えない、だから、税理士資格を取って一般企業に勤める人が増えています。さらに、我々の業界は今後AIに取って代わられるとも言われています。厳密に分析すると、人は人にしかやれない部分が確実にあり、そこにフォーカスを当て込んでいけば将来の見通しは明るい業界なのですが、若者から見て業界としての魅力が感じられない構造不況的な要素が見られるわけです。

 

しかし、本当に魅力のない仕事なのでしょうか?私は決してそうは思いません。

大企業と違って中小企業は自分で会計をやらなければならないので、だからこそ税理士が必要です。大きな会社であれば専門の部署にて統括責任者の下で会計環境をしっかり整備し、会計を経営に活かしていますが、中小企業にはなかなかそんな部署はありません。社長自身が税理士、会計事務所の力を借りて、会計を見ていかないといけないのです。会計を見る力が付くことで色んな自社の課題に気づき、経営の改善に繋げていくことができます。

冒頭で述べた時代の流れや背景を踏まえ、今や税理士という仕事は、税務の専門家という位置にとどまっていてはいけないと考えています。もっと言えば、とどまっていては社会に淘汰されていく存在になるでしょう。中小企業経営者のパートナーとして、社長に対して会計の読み方、会計の力を教えていくという仕事。まさに会計指導力の発揮です。会計の力を発揮して会社を良くすることが税理士に期待されている役割であり、求められている資質でもあると思います。

現在、税理士の置かれている環境は非常に厳しいですが、あえて20代や30代の若い人たちに言いたいことは、人数が減ってきていることはむしろチャンスでもあるということです。あえてチャレンジして資格を取って、税務だけではなく、財務的な観点から経営助言をやっていくことによって発展する可能性は大いにあります。目指すところは、中小企業経営者の頼もしいパートナーとなることです。お客様から心からの感謝を言っていただけた時、必ずそこに大きなやりがいを感じることができ、職業専門家としての未来が描けると私は確信しています。

 

2.中小企業経営の役に立ち、社長から感謝される仕事

社長が頭で思っていることを数字で見られることが会計のすごさであり、そのお手伝いをするのが税理士です。「こう変わりますよ」と助言することで、社長が気付いて行動していくきっかけになります。中小企業経営に密着してそのお役に立つ税理士の仕事はとてもやりがいのある仕事です。後に続く若い人たちに期待したいです。

「社長の思っていることを数字で表すとこうなりますよ」という助言は、私たちにしかできません。そこを見せてあげるだけで社長はやる気になれます。それが会計の力です。仕訳を切って、会計監査を行い、試算表を並べるだけが会計ではありません。社長がそれを見て、自分がやってきた経営を客観的数字で振り返り、さらにシュミレーションを加えるなどしていくことで社長のやる気が喚起されていきます。

月に最低1度は面談し、現時点での業績の確認やこの先の損益や資金繰りの予測を行い、さらに、弊所で展開している財務コンサルサービスを独自の資料でご提供差し上げたりなど、ご自身の会社の経営を考える機会を作ってくれたと大いに感謝されます。

昨今、安価なパソコンやクラウド型会計ソフトが使えるようになり、それを自分で買ってきて決算に困らないように打ち込んでいる中小企業が増えています。それはそれでよいのかもしれませんが、その目的は会計を経営に活かすことではありません。入力された数字も専門家が検証したものではないので、金融機関からの信用を得るのも難しくなることが想定されます。それが自分で使用できる会計ソフトの限界です。

やはり、会計のプロからしっかり指導を受けて、毎月きちんと正確に業績を把握する。そのためにパソコンと会計ソフトという道具を使うことが大事です。私たちはそこの指導助言をしっかり行います。社長ご自身が毎月自分で数字を把握できるようにサポートします。

月次決算は、日頃の会計処理を現金主義ではなく発生主義で行います。在庫については、概算で入れておいて翌月直せば大丈夫です。管理会計はスピードが命です。社長の行動を喚起することが重要です。そこからスタートして正確性を徐々に高めていけば大丈夫です。そのうち、「請求書をもっと早く発行しよう」とか、「実地棚卸をしよう」などの行動に繋がっていきます。また、損益計算書は変動損益計算書で確認することが大切です。こちらについては、過去ブログ(←をクリック)で述べていますので、よろしければそちらをご参照いただければと思います。これらを毎月継続していくと段々と数字が読めるようになり、会計を経営に活かすことができるようになっていきます。決算申告のためだけの経営に活かせない会計では、あまりにももったいないです。

 

3.社会からの期待に応えて未来を拓く

中小企業のマーケットでの最大の利害関係者は金融機関です。その金融機関が一番時間を使っているところ、それが中小企業の決算書分析です。独自に調べ労力をかけています。中小企業の決算書について税務的にどこが問題になり、どう見たのかは税理士法第33条の2による書面添付で明らかになります。ただし、書面添付は任意のため、法人税の全ての申告書のたった7%ほどしか添付されていません。(弊所では約70%添付しています)

会計の処理についても「中小会計要領」という正しいルールに沿って処理しているかどうか(中小会計要領チェックリスト)の確認が入りますが、残念ながらこちらも申告書類の必須添付書類ではないため、添付されていない申告書が大半だと思われます。(弊所は90%以上添付しています)

上記二つが添付されていると決算書の内容をチェックする労力をカットできるので、金融機関からたいへん喜ばれます。しっかりした税理士の指導を受けて適正にやっていることが分かれば金融機関からの評価も上がります。これが決算書の社会的信用力というものです。

このような観点から中小企業の支援をきちんと行う税理士は、信頼できる外部専門家として、税務当局や金融機関からも評価されているのです。また、長引くコロナ禍の中で、このような税理士が社会からより強く求められています。その一例として、「中小企業経営力強化支援法」に基づいて、経営革新等支援機関制度(認定支援機関制度)が平成24年8月30日に創設され、その中心を税理士が担っています。

中小企業に資金が無い理由は、銀行返済に当て込まれる資金が大きいことにあります。利益が挙がっても、税金を払えば手元資金が無くなってしまう。銀行返済分を少し削らないと事業運転資金が出ない。過大な負担が強いられる返済計画は、事業承継にも悪影響を及ぼします。そこで創設されたのが、経営改善計画策定支援事業(詳しい内容は、過去ブログのこちら(←をクリック)から)です。

認定支援機関である税理士が、中小企業・小規模事業者の経営改善計画策定・モニタリング等を支援するこの事業は、コロナ禍に限らず恒久的事業となっています。借入返済が厳しい中小企業のために、金融機関の了解を得れる実現可能性の高い経営改善計画の策定を支援しています。さらに、その計画が実行され、目標が着実に達成されるように、企業の経営改善計画の実行状況についてモニタリング支援を行っています。

これは、税理士への社会からの新しい期待であり、業界を巡る新しい動きです。であるにも関わらず、認定支援機関に登録はしているものの、当該制度を実際に活用してお客様のサポートができている税理士、会計士はほんの一握りなのが実態です。国が我々の業界の必要性を認識し、色々な制度を用意してくれているにも関わらず活用しない専門家が多いのは「なんだかなぁ」と溜息がもれる思いです。

 

4.まとめ

税理士という存在が、国家、社会から大きく期待されているという事実と現在の税理士志望者の減少というミスマッチは、いったいどこから来るのでしょうか。それは、税理士業務を過去の延長線上から見ていることが原因ではないかと考えられます。

ぜひ、税理士として担うべき役割を認識していただいて、日本の未来を担う若者が多くこの業界を目指して、輝かしい未来を他の誰でもない自分の力で切り拓いてもらいたいと心から期待しています。

一度しかない人生、後の後悔がないように共に頑張っていきましょうp(^-^)q

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