決算書類は何のために作るのか? NO.0057

皆さんこんにちは!

ここ最近、弊所のお客様がM&Aにより会社の譲受けをされることが決まり、その兼ね合いで財務・税務DD(デューデリジェンス)業務を請け負うことになったのですが、現在、弊所の経営指針を見直して再策定していることも重なり、慌ただしい日々を過ごしております。

M&Aに関しては、経営者の高齢化がどんどん加速化する中で喫緊の経済課題となっており、その対策として国のM&Aに関する補助金や優遇税制も色々と出てきていますので、この辺りについては、次回のブログにて改めて記載していきたいと思います。

上記の兼ね合いで、もしかしたらブログの更新が8月は少なくなるかもしれませんが、時間を捻出しつつ、皆様にとって有益だと思われる情報を極力継続的に発信していきたいと思います。また、全国的にもそうですが、沖縄は特にコロナ感染が爆発的に広がっており、心配な日々をお過ごしの方も多いかと思います。私もまだワクチンを打っておりませんので気を付けていきたいと思います。

 

では、本題に入っていきたいと思います。経営者である皆様は、毎年一回、顧問税理士から決算書類の作成をしてもらっていると思いますが、こちらの書類は何のために作るものでしょうか?税務署への税務申告のため、銀行から融資を受けるために必要などの回答が挙がってくると思いますが、じつは自社の損益状況や財務状況をつかんで経営に役立てておられる方はほとんどおられません。ひどい場合になると内容を一度もしっかり見たことがないという方もおられます。数字に基づく経営指導を顧問税理士、会計士ができていないことを現す象徴的な事象です。また、年に一回、財務三表(損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/F))を作成し、それを眺めるだけでは、業績を改善し、向上させ、会社を成長させていくことはできません。本当に会社を成長、発展させていきたいと願うのであれば、月単位で決算書(月次決算書)を作成し、毎月の経営の結果を数字で把握していくことがとても大事になってきます。なぜなら、人は一度聞いただけではすぐに忘れてしまい、何度も繰り返す中で本当の意味が理解できるようになっていくからです。数字を理解しないことには、決して数字を経営に役立てていくことはできません。また、向かうべき方向を明確にし、それを実現していくためには、経営計画書の策定を行うことも必要不可欠となってきます。

 

社長は大航海を続ける船長

経営は、大海原で航海を続ける船に例えることができます。

船長である社長は、船の状態を常に把握し、海上での現在の位置を把握し、船が進んでいる方向を確認しつつ、的確なかじ取りをしなければ荒波を乗り切り、目的地にたどり着くことはできません。そして、そのためには、船の調子を計測する計器類や海図、羅針盤(コンパス)といったツールが必要になってきます。会社の業績を上げるために、倒産のリスクを減らすために、そして、目的地(夢や目標)に到達するために役立つツールや経営指標がほしくないという社長さんはいないはずです。

この経営ツールの代表が財務三表であり、経営計画書となります。これらを日々の経営に役立てていくことで初めて正しいかじ取りを行うことができるのです。ここでは、いくつかある経営ツールをどう役立てていけばいいか大まかに紹介していきます。

 

財務三表の本質を理解する

財務三表の本質については、以前のブログでも述べたことありますが、もう一度整理していきたいと思います。

P/Lは「一年間の企業の経営成績」であり、売上から費用を引いて、一年間でどれだけ儲かったのかを表すものです。B/Sは「会社に残っている財産と負債の一覧」であり、会社創立から現在までの経営の累積を表すものです。P/Lは一年毎に区切られますが、B/Sは今までのすべての累積が表される部分に大きな違いがあります。C/Fは「現預金の流れ」を見るもので、儲けた利益はどこに消え、手元にはいくら残っているのかが分かります。勘定合って銭足らず、という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、利益は出ているのにお金は残っていない原因を明確にあぶり出すことができます。利益の数字と実際のお金の違いを経営者に教えてくれるものであり、その原因を理解することで、現預金を着実に増やしていく経営を行うことができるようになるツールとなります。

社長はこの三表の本質を理解した上で、この表の数字について、目標と実績のギャップを把握しながら、会社のかじ取りを行っていくことが大事です。年に一回決算時に作るだけでは、会社の業績を改善し、成長させていくことはできません。そして、月次に展開した財務三表を含み、経営の戦略・戦術をきちんと明記して、社長がぶれずに目標に向かって実際のかじ取りをできるようにする海図と羅針盤が「経営計画書」となります。

 

経営計画書の本質を理解する

経営計画書というと、融資申込みの際に、銀行に提出する利益計画書(収支目標予算)だと思っている方がおられますが、じつはそうではありません。私も過去に勘違いしていた時期があるので偉そうなことは言えませんが、本当の意味での経営計画書とは、会社としての経営理念や未来像、戦略・戦術をまとめた「方針編」と、指標となる財務三表について、中期(3~5年)、短期(1年)、そして、月単位で目標数値をまとめた「数字編」の二本立てで定義できます。

年度初めに全社員に計画書の内容を発表し、その後は常に経営計画書に立ち戻りつつ会社を経営していきます。発表によって自らの退路を断ち、その断固たる達成を自分を含めた全社員に強く言い聞かせます。その上でとても大事な部分は、経営者の独りよがりな計画内容ではいけないということです。経営計画書の役割は数値目標を達成するだけではありません。経営と社員に対する社長の姿勢を明確にするものでもあるのです。発表の時には自分が会社をどのように成長させ、そして、社員の幸せを実現していきたいのかを示すことがとても大事です。ですので、できることなら社長一人で作成するのではなく、幹部社員やその他の社員も巻き込んで策定していくことが理想です。

 

まとめ

事業経営は思想(経営理念、哲学、信念など)と技術(戦略、戦術、売上・利益目標、資金調達と運用など)の両面が必要です。経営計画については、本来であれば方針編が土台となり、その上に数値編を組み上げるのが理想ですが、当事務所では技術面を中心に策定支援を行います。当事務所が日々の現場実務でお客様のサポートをさせていただく中で、多くの社長さんたちは、経営の思想よりも、それを成し遂げる技術を求めておられる方が多いためです。現実に事業の成功者は、成功する技術(やり方)を習得されています。

ちなみに方針編については、中小企業家同友会の経営指針策定講座(1日当たり8時間×4日間)がコスパもよくお勧めです。毎月の会費が6,000円かかり、講座受講に当たっては50,000円別途かかりますが、方針編はもちろんのこと数値編の内容も基本的な部分は勉強できるので、内容的には非常にお勧めです(実際に私も過去に受講しています)。もちろん、これだけで方針編を完成させることができ、また、数値編を本当の意味で理解し、策定できるようになる訳ではありませんが、経営計画書全体の策定に当たってのきっかけ作りに大いに役立つと思います。私は決して同友会の回し者ではありませんが(笑)本当にお勧めなので記載しておきます。始めてみないことには継続していくこともできないので、何事もまずは始めてみることがとても大事です。

皆様の事業の成功と発展を願っていますp(^-^)q

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