現預金は月商の3か月分あれば安心? NO.0056

皆さんこんにちは!
沖縄は先週半ばからの鈍足台風のおかげで、連休中も強制的に外出自粛を強いられた方も多かったのではないかと思いますが、無事に過ごされましたでしょうか?
幸い私の身の回りでは事故等の情報は入ってきておりませんが、皆様の無事を願っております。

 

さて、本日の話題ですが、会社経営において、現預金は「月商の〇倍あればよい」という考え方は正しいのか?というテーマでお話したいと思います。

以前に経営コンサルタントをテーマにしたブログを掲載いたしました。巷には、現預金は月商の〇倍以上を持つことを目指しましょう!と言っているコンサルタントが少なくありませんが、実際のところどうなのでしょうか?現預金はたくさんあればあるほど財務的には良い会社、盤石な会社と言っても良いかと思いますが、もっと突っ込んで分析すると、「現預金の額が借入金の額よりも大きい」会社が盤石な会社となります。

 

自社の必要運転資金の計算方法を理解する

中小企業であれば、多かれ少なかれ借金があるはずです。そうすると、当然返済が必要になり、返済のためには現預金が必要です。もし仮に、突然銀行から一括返済を求められたときに、手元に現預金が無ければ資金ショートに陥ってしまいます。現預金は借入金より多く持ち、その差額が大きければ大きいほど会社は安全と言えます。よく、「月商の3か月分以上は現預金を持たなければならない」という話を見聞きしますが、私は月商ベースで考えるのは誤りだと考えています。そもそも貸借対照表(B/S)の項目である現預金について、損益計算書(P/L)の項目である月商を目安に考えるのは誤りなのです。月々の売上が全ての会社に同じ条件で入金されるはずがありません。売掛の条件は各社様々であり、必要運転資金は入金条件だけでなく、仕入時の支払い条件や在庫の保有額によっても変わってくるのです。

 

上記を考慮したうえで、必要運転資金を算出するうえでの計算式は下記の通りとなります。

運転資金=売上債権(売掛金+受取手形等)+棚卸資産-仕入債務(買掛金+支払手形等)

かなり単純化すれば、不足分は売掛金と買掛金の差額です。また、材料や在庫(棚卸資産)を抱える会社であれば、その分必要運転資金は増えてきます。建設業であれば未成工事支出金なども棚卸資産に該当してきます。

 

必要な現預金は貸借対照表(B/S)上で見る

では、手元の現預金がいくら必要なのかをB/Sで考えてみましょう。

実際には、会社建物が自社所有か賃借か、売掛金の回収条件や買掛金の支払条件(サイクル)がどうなっているかなどによって変わりますが、シンプルに総資産の何%の現預金を持つべきかを考えるのが分かりやすくて良いです。結論としては、総資産の33%(3分の1)以上の現預金を常に保有することを目標とします。なぜなら、B/Sの右側にある買掛金・未払金・未払費用などの「信用負債」、銀行借入金などの「金融負債」、「自己資本(純資産)」は「3:3:3」のバランスがいいと考えるからです。もっと言えば、「自己資本(純資産)」の割合がもっと増え、他の割合がその分減っていく経営を目指すのですが、現実問題として、多くの中小企業では借金をしなければ経営が回らず、無借金経営で現預金を多く保有しているという会社はほとんど無いことから、第1の中間ゴールとして「3:3:3」を目指すのです。これが実現されれば、まずは優良企業と言ってよいと思います。総資産1億円の会社なら、信用負債が3,300万円、金融負債が3,300万円、自己資本も3,300万円になります。

 

そういう状態を構築する経営を行っていく中で、B/Sの左側にある流動資産の項目に分類される「現預金」が3,300万円(総資産の33%)になるようにしていくのです。金融負債が3,300万円あっても同額の現預金を持つことで、実質的には無借金の経営を実現できます。これが第2の中間ゴールです。その先に第3のゴール(最終ゴール)として真の無借金経営があります。そして、これは銀行の視点からも同じことが言えます。銀行が貸しやすい会社の自己資本比率は30%以上が目安になるからです。銀行は回収の安全性を何よりも重視します。自己資本比率が30%以上あれば、たとえ資産価値が3割減っても回収できると考えます。仕入先にとっても買掛債務に対して頭金がどれくらいあるかが最大の関心事です。現預金が買掛債務と同じくらいあれば安心するのです。

 

まとめ

では、本日のまとめを記載していきましょう。

1⃣ 自社の必要運転資金をB/Sから算出してみる

2⃣ B/Sの右側にある項目、「信用負債」「金融負債」「自己資本(純資産)」の比率を3:3:3にしていく経営を目指す

3⃣ 現預金残高を総資産(B/Sの左側全ての項目)の33%以上保有する経営を目指す

4⃣ 銀行が資金貸出しを行いたいと考える会社はどういった会社かを理解する(金融機関との付き合いは大切)

以上となります。

皆様の事業の成功と発展を祈っています。

今日も一日元気に頑張っていきましょうp(^_^)q

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