税務調査が実施されづらくなる「書面添付制度」とは NO.0062

皆さんこんにちは!

沖縄は11月に入り、コロナ感染が落ち着きを見せていることと飲食店時短営業が解除されたことで、ちらほら忘年会の話が出てきている方も多いかと思います。

私もいくつか話が出てきており、集まる人数が少ない会食であれば参加してもよいかなと考えていますが、我々の業界は年明けから繁忙期を迎えるため慎重に判断はしていきたいと思っています。面と向かっての会食で色々とお話するのがやはり一番のコミュニケーションですが、業界的にも判断が難しいところです(;^_^A

 

さて、本日の話題ですが、税務調査に大いに影響を与える書面添付制度についてお話したいと思います。

もちろん税理士は知っている制度ですが、納税者の方はご存じでない方も多いかと思いますので有益な情報になるかと思います。

 

国税庁の発表によると、課税対象者に対して行なった2019事務年度の税務調査の件数は、法人税で約7万6,000件、所得税で約43万件(文書、電話などによる簡易な接触も含める)、相続税で約1万件にのぼります。
納税者にとってはできれば避けたい税務調査ですが、これを拒否することはできません。
しかし、税理士に『書面添付制度』の利用を依頼することで、税務調査の行われる確率を下げることはできます。
税理士が取り扱うことができる書面添付制度とは、いったいどのようなものなのか、解説していきます。

 

税務調査の前に税理士が意見陳述できる制度

書面添付制度とは、税理士が依頼者の税務申告等を行う際に、申告書類が税務の専門家の立場からどのように調製されたかをまとめた規定の“書面”を作成し、添付することで、もし依頼者が税務調査を受けることになった場合に、税理士に意見陳述の機会が与えられるというものです。
相続税・所得税・法人税などの税務申告の際に利用できる税理士法に基づいた制度で、税理士だけに利用する権利が認められています。
つまり、書面添付制度を利用すれば、いきなり税務調査が行われるのではなく、その前に意見を述べる場が一つできるということです。

添付する書面の様式は財務省令で定められており、税理士は項目ごとに税務に関して計算・整理したことや、依頼者から相談を受けた内容などを記入します。
また、申告書類だけではわかりづらい部分を補足説明として記入する場合もあります。

税務調査の対象となった際は、税務署は添付された書面に従って、税理士から意見を聴取します。
その結果、問題点や疑問点が解消されて、税務調査が必要ないと判断されれば、税務調査そのものが省略されることになるのですが、税務署がその際に発行する調査省略の通知書面をお客様にお見せするとたいへん喜ばれるものです。

 

添付する書面は“質の高い書面”であること

事業者としても税理士としても、負担のかかる税務調査はできるだけ避けたいものですが、そのためには、書面添付制度を利用するにあたり、“質の高い書面”を作成する必要があります。
ここでいう質の高い書面とは、記載してある内容がきちんと申告書類の不明点を補っており、なおかつ正しい決算であることが証明できている書面のことです。
そのために、事業者は税理士に包み隠さず財務状況を伝える必要がありますし、経理も偽りなくきちんと行わなければいけません。
基本的に書面は税理士が作成しますが、事業者もその内容を把握し、共に質の高い書面を作るという意識で、顧問税理士には全面的に協力しましょう。
そもそも書面添付制度は、税務調査を逃れるための制度というより、“正しい決算”を行うことを目的とした制度なのです。

 

税務調査の省略以外のメリット

書面添付制度には、税務調査を回避する以外にも、金融機関に対しての信頼性を高める効果があり、じつはこちらのほうが大きなメリットといっても過言ではありません。
金融機関は企業に融資を行う際に、その企業の財政状況や将来性、課題などを把握しておく必要があります。
書面添付制度を利用していれば、決算の数字だけではわからない細かな情報を得られるため、透明性の低い企業よりも信頼性が高まるというわけです。
また、書面添付制度の利用は、そもそも正しい決算に基づいた申告であることが前提となるため、健全な会社経営を行っているとみなされ、結果として、融資の際に金利や返済期間などの面において、優遇される可能性もあります。実際に、弊所が作成している添付書面については、県内地銀の企業融資の担当者の方々から「融資判断の参考となる内容が丁寧で豊富に記載されており、非常に助かっています」というたいへん有り難いお言葉をいただいております。

このようにメリットの多い書面添付制度ですが、書面添付制度を取り扱っていない会計事務所もあり、税理士によっては依頼しても断られてしまうこともあります。

書面添付制度は税理士に認められた権利なのですが、申告書への添付は義務付けられていないため、申告書への添付割合は1割にも達していないのが現状です。

理由は、作成が正直めんどくさいということや作成できるレベルの会計・税務チェックを税理士・会計士ができていないということが挙げられます。

(弊所では、顧問契約期間が1年を超える法人のお客様は原則添付しております)

ですので、顧問税理士・会計士が作成してくれないとなると、そもそも書面添付制度の利用を諦めるか、別の会計事務所に申告書類の作成から依頼しなければなりません。
いずれにせよ、書面添付制度を利用するには、前提として健全な経営を行っていることが必須です。
日頃から正しい経理・決算を行っていき、会社を成長させる重要な指標として数字とお付き合い頂ければ幸いです。

皆様の事業の成功と発展を願っています(^-^)

前のページへ戻る

 

最新記事

Contact

お問い合わせ

名称 藤原亮税理士事務所
住所 〒901-2126
沖縄県浦添市宮城1-26-8 平安ビル201号
営業時間 月〜金 9:00~18:00(土日祝を除く)

※法人様の決算申告のみ、個人様の確定申告のみの
ご依頼は承っておりませんのでご留意ください