銀行は会社の何を見て貸出しを行うのか? NO.0055

皆さんこんにちは。

今週は週後半からオリンピックの絡みで連休となる会社様も多いのではないかと思いますが、なにやら、沖縄はかなり鈍足の台風の影響が週中辺りにありそうで、今週の仕事が進まないかもと冷や冷やしております(苦笑)。もちろん無事故が一番なので、状況次第でスタッフを公休扱いで休ませる考えですが、なんとか最小限の影響で済んでほしいと思います。

 

さて、本日の話題ですが、会社経営を行っていくうえでは切っても切れない金融機関との付き合いについてフォーカスしていきたいと思います。

昨年一年は、ある意味コロナフィーバー融資と言ってもよいくらい、過去に類を見ない好条件の融資で助かった会社様も多いと思いますが、とはいえ、今後の更なる追加融資は厳しい状況が想定される中で、資金調達に関する対策については、随時検討・実施していく必要があります。そこで今回は、金融機関の組織としての仕組みや性質について述べていきたいと思います。孫子の兵法に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という名言がありますが、彼(金融機関)を知り、己(自社)を知っていくということは、経営において非常に重要な要諦となってくるはずです。

 

ポイント1.銀行は決算書だけを見て貸すのではない

銀行がお金を貸すか貸さないかは、決算書、つまり会社の業績だけで決まると考えられがちですが、実は決算書以外にも様々な要因が絡んできます。例えば、銀行担当者のノルマ達成状況、支店のノルマ達成状況によっても結果が変わってきます。

銀行全体の収益計画があり、それを実現していくために各支店に営業目標が割り当てられ、さらに、その支店ごとの営業目標を銀行員一人一人に分担させてノルマが決まることが一般的です。

中小企業の経営が社長のトップダウンで決まるのと同様に、銀行も上意下達であり、現場が大切と言いながらも本部の言うことは絶対という組織風土があります。中には「ノルマ達成だけが正義とされる世界」という言い方をする人もいるくらい、ノルマ達成が重んじられる組織です。

 

ポイント2.ノルマもただ達成すれば良いというものではない

ところが、ノルマというのはただ達成すればいいという話ではなく、銀行員のノルマは常にほぼ計画通りとする「ニアピン」が求められるのです。

つまり、上から与えられた目標を下回るのは論外としても、上回り過ぎるのも時に問題となります。それは、銀行のノルマは常に前期の実績+αで決まるからです。

ノルマを大幅に超える実績を上げると次期の目標が引き上げられ、自分たちの首を絞めてしまいます。ただでさえ、融資量を確保することが難しい現状にあって、今まで以上の融資目標を与えられては死活問題と考える行員は少なくありません。事業運営を考える場合の企業体質としては「?」が付きますが、これが実態となっています。

銀行員のノルマは4月~9月、10月~3月の半期ごとに与えられますが、自分のノルマや支店のノルマの達成が見えてくると、ニアピン狙いの銀行員はそれ以降の融資については次期に回そうとします。

3月や9月は銀行もノルマ達成に追われるから、他の月に比べて融資審査が甘くなりがちとよく言われますが、それは、銀行の担当者や支店がノルマ達成が見えていないときの話であって、既に達成済みであれば、それ以上の実績は不要と考えがちなのです。そうなると、3月または9月なら融資を受けれるはずと目論んでいた経営者にとっては、融資が先送りされる可能性が高まってくるため大変な問題となります。ですので、3月、9月を狙うにしても、2月または8月の初めには融資の申込みをしておくべきです。(事業計画の策定が必要な場合は、さらの逆算して1月または7月には動き始めることが大事です)

 

ポイント3.支店長の性格も影響する

支店長の性格も融資に大きく影響します。

支店の中で融資するかしないかの決裁権を持っているのは支店長です。

金額などの条件によって本部稟議になることがあっても、支店長が一度決済したものは本部がおいそれとは否決できるものではありません。本部の審査役が支店長のかつての同僚や先輩・後輩であることも多々あります。ですので、融資が認められるかどうかの最大の関門はやはり支店長なのです。ここで重要なポイントとなるのが支店長それぞれの性格です。この支店長の性格は、これまでの経歴などによって異なります。端的に言うと、営業畑の出身か融資審査畑の出身かで大きく変わってきます。

 

営業畑の支店長は、文字通り営業数字を上げることで評価されてきた人が多く、支店長になってからも融資実績を積極的に伸ばしていこうという傾向が強く、本部も当然それを期待します。一方、融資審査畑出身の支店長は、鋭い審査の目線を持つことで不良債権の発生を抑えたり、部下のコンプライアンス徹底によって評価されてきた人が多く、支店長になってからも、そのスタンスを取ると思ったほうがよいでしょう。このタイプの支店長が絶対に避けたいことは、自分がハンコをついた融資案件で不良債権を出すことです。結果、融資判断は非常に渋くなりがちです。そして、銀行の人事は、この営業畑と融資審査畑の支店長を交互に支店に配属することが多いようです。

その背景には、営業畑の支店長は積極的に融資実績を積んでいきますので、その過程で融資審査畑の支店長に比べ審査がやや緩めとなり、不良債権を発生させるリスクが高くなりやすい傾向にあることが挙げられます。そこで、営業畑の支店長の次には融資審査畑の支店長を配属して、一旦、融資の拡大を落ち着かせるようにすることが多いのです。バランスを取ろうとする力学が働く結果、営業畑にしろ融資審査畑にしろ、どちらか一方の系統の支店長をずっと配属させ続けるのではなく、次の支店長は前任者とは逆のタイプにするという人事を繰り返すことが多くなります。

 

支店長の性格は、渉外担当者の性格も変えてしまいます。イケイケで融資実績を伸ばしていた渉外担当者が、支店長が代わった途端に元気が無くなることがよくあります。

支店で行員の不正が発覚したりすると、現支店長が更迭されてガチガチに保守的な支店長が配属されたり、過去に建設業向けの融資で大口の焦げつきを出したような支店長は、建設業というだけで取り上げなかったりします。経営者は銀行という組織と付き合っていながら、結局は「人」で融資が決まることが多いからこそ銀行との取引は難しいのです。

 

ポイント4.複数行との取引を原則とする

上記のリスクを回避するには、複数の銀行と取引するしかありません。沖縄は地銀の数が多くはありませんが、それでも金融公庫含め3行くらいはお付き合いしておくのが良いように感じます。複数行から融資を受けていれば、ある銀行の支店長が渋くても、他行の積極的な支店長に融資を申し込めばよいのです。とても親身に対応してくれていた担当者が支店長の交代によって全く会社に訪ねてこなくなったかと思えば、今まで見向きもしてくれなかった担当者が足繁く通ってくるようになったりします。「あるある~」と感じる方も多いかもしれません。

銀行の担当者の変化に一喜一憂せず、銀行とはこういうところなのだと思って取引することが大切です。気に入らない支店長、担当者だからといって、その銀行との取引をやめるのはナンセンスです。他行とも並行してお付き合いしながら、次の人事異動まで我慢すればいいのです。

金融機関と上手にお付き合いしていくことは、事業を継続・発展させていくうえで必要不可欠な部分です。

皆様の事業の成功と発展を願っております。

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